マーケットの魔術師

間違いなく不朽の名作。英語版は1989年に出版されていて、ジム・ロジャーズなど本書に収められている伝説のトレーダー達の若かりし頃のインタビューがとても興味深い。現在もトップトレーダーと接する機会どころか、彼らの考えを知ることというのは大変難しいという現実がある。トップトレーダー達が何を考えどのように行動してきたか、それに彼達の忘れられない失敗談まで知ることが出来る本書が出版された時はまさに衝撃的であった。この世界で少しでも長く生き延びられるように私も年に1度は必ず目を通す。

  

新マーケットの魔術師

こちらに登場してくるトレーダーたちはいわゆる第2世代。中でも有名なのがタートルズとリンダ・ブラッドフォード・ラシュキだろう。タートルズはあまりにも有名になってしまったが前著「マーケットの魔術師」に登場したリチャード・デニスが素人投資家に教育して育てたプロトレーディング集団である。リンダはこの世界には珍しい女性トレーダーだが、おそらく世界屈指の短期売買トレーダーであろう。とにかく本書にはさまざまな「読者が本当に聞いてもらいたいこと」がインタビューされており、前著より質問の質が確実に向上している。個人的にはこちらの方がお気に入りだ。

  

タートルズの秘密

タートルズ達がデニスらに教育してもらったことが書かれている暴露本。ただし、いくつもの取引手法が書かれているわけではないのでご注意を。彼らは典型的なトレンドフォローワーなので、ルールもいたって単純で明快。Amazonの書評に数々のネガティブ意見が書かれているが、そんな方達はこの本に書かれているルールをもう一度よく考えてみたらいかがであろう。実際優秀なトレーダーほどシンプルな売買手法を持っている傾向にあり、しかもそれらがいつも万全ではないことも知っているのである。タートルズでさえこんなシンプルな手法で驚異的なパフォーマンスを出していたという秘密の部分を知ることの出来る本だ。

  

魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門

惜しげもなく自身の売買手法をさらけ出してくれている、まさに目から鱗の情報ばかり。なぜかシロウトは複雑な手法を好み、玄人は簡単な手法を好むという傾向がある。ここに紹介されているもののほとんどが、すぐに実行できるものばかり。実際に多くの現役プロトレーダーはこの本から計り知れないアイデアを得ていることだろう。現在トレーダー達が使っている有効な手法の中にはここに書かれているものの進化型が数多く存在している。これを勉強すると短期売買の戦略の立て方がかなり変わってくると思う。

  

先物市場のテクニカル分析

相場の世界に入ってまず勉強したのがこの本。自分にとってはまさに大学の教科書的な存在だから、今でも時々読み返すことがある。テクニカル分析の基礎がかなり詳しく書かれている。まずは本書で基礎をしっかり勉強してから、個々の好きなテクニカル分析に入っていくことをお勧めする。はっきり言ってこれを勉強してしまえば他のテクニカル本はほとんど必要なくなる。何年たっても色あせない内容は西洋の酒田五法に通じるところがある。

  

ラリー・ウィリアムズの短期売買法

米国商品先物界のスター的存在。1年間の投資コンテストで1万ドルを100万ドル以上にして、2位以下を圧倒的大差で破り一躍超有名投資家に躍り出た伝説の人。チャートを使い大衆とは逆の方向へ仕掛けるタイミングはまさに天才的。1999年に出版された本だがいまだに有効な手法が数多く書かれており、短期売買をやるなら逆張りが絶対的に有利と思わせてくれた貴重な本だ。これ以上の本はもう出てこないと思う。まさに短期売買のバイブルなんじゃないかな。

  

サヤ取り入門

限月制の商品先物に欠かせない手法の一つにサヤ取りがある。異限月/異商品間の価格差を狙った手法だが裁定取引とは明らかに異なる。この本に書かれているのはサヤもトレンドを作るということ。そしてそのトレンドに乗れれば、単なる価格の歪みを狙って小さい利ザヤを稼ぐ「裁定取引」とは比べ物にならない利益を上げることが出来るということを実データを用いて説明してくれている。実は片張りを専門とする優秀なトレーダーにもサヤを見ながら取引をする人は多い。なぜならサヤは密接に商品の価格にリンクしているものだからだ。行き詰ったらサヤを勉強してみてはいかが。